Home > Note > 新年のご挨拶と今年の予想

新年のご挨拶と今年の予想

  • 2008-01-06 (日) 13:51
  • Note

みなさん、新年明けましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になりました。今年もひとつ、宜しくお願いいたします。
年賀状

さて、2008年はどのような年になるのでしょうか。
はるか昔、ユビキタスという言葉が生まれ、当時は「未来は冷蔵庫でもインターネットに接続できる」などとなんのメリットがあるかわからない様な風説がありました。
そのユビキタスですが去年などではそのままキャッチコピーとして「指きたっす」などとさらにわけのわからない造語として使われる有様。
そんなユビキタスですが、今年はユビキタスネットワークとしてまさに「目に見えないネットワーク」が本格的に始動するのではないでしょうか。

目に見えないネットワークとは

映画「マイノリティ・リポート」ではトム・クルーズ演じるジョンの網膜をカメラで検知し、ジョンに最適化された広告を映し出します。それもパソコン上ではなくデパートの柱に表示されている広告がダイナミックに切り替わります。これこそ生活の裏側にあるユビキタスネットワーク、ユビキタスコンピューティングと言えるでしょう。
そんな未来図が今年にでもどこかで始まるのではないかと、僕は考えています。
もちろんいきなり網膜で認証できるなどとは考えておりません。顔認識技術でさえまだまだ発達の余地がある分野、あれだけの距離から道行く数多くの人の網膜を認識する技術などはまだまだ確立しないでしょう。
ではどこで認識するのか。それは RFID(IC タグ) かと僕は考えています。
みなさんが通勤などに使われる SUICA も RFID なのですが、カードリーダがカードを認識できる距離は数センチととても短いものです。
これは、SUICA 自体が動力源を持たず、カードリーダ(改札口)からの電波を動力源として利用しているためです。しかしこれにより SUICA 自体の動力を気にせず利用できると言うメリットがあります。
自らは動力源を持たない SUICA 対し、RFID 自体が動力源を持ち、自ら電波を発するタイプの RFID をパッシブタグと言い、パッシブタグであれば認識できる距離はぐっと広がります。

このパッシブタグを使うことでかなり遠い距離(10m以上)からでも個人の認識が可能となります。
マイノリティ・リポートで言う所のカメラがカードリーダとなり、網膜がパッシブタグになるわけですね。
この SUICA でもマイノリティ・リポートの網膜認証でも言える事に「利用する個人がそのバックエンドにあるネットワークを気にすることなく利用できる」と言うのが目に見えないネットワーク(ユビキタスネットワーク)と言うわけです。

ユビキタスネットワークの可能性

ここ最近「巨大ショッピングモール」と言われる様なひときわ大きなデパートがいくつも展開され始めてきています。
僕は割りと方向音痴なのでそのような場所に行くとどこに何があるか全くわからなくなってしまうのですが、それはさておき巨大ショッピングモールと言われている様な場所では目的のお店を探す事は元より、お気に入りのお店を回るだけでも大変ではないでしょうか。
女性の考えで僕が全く理解できないことに「目的の店には最後に行く」と言うものがありますが、僕から言わせてもらえば「行く必要のある店だけを回る」方がよっぽど効率的だと思います。これに関しては個人の主義主張があると思いますので深く言及しませんが、この辺りの「巨大ショッピングモールを一覧するのが面倒くさい」と言うニーズは少なからずあるのではないでしょうか。

これはなにもショッピングに限ったことではありません。食事にも然りです。
僕は輝かしき喫煙者なのですが、最近のショッピングモールでは全席禁煙のレストランも珍しくはありません。分煙措置として喫煙者である僕が端に追いやられても一向に構わないのですが、全席禁煙などという店舗はそのサービスの質から疑いたくなる人間なので、まあもちろんタバコが吸えないなら入りたくないと言うのが一番の本音でして、そのような情報はショッピングモールでレストランを探している段階で知りたい情報のひとつであるわけです。
「ここおいしそうじゃない?」と思って歩いていった先のお店では全席禁煙。仕方ないので隣にあるまずそうな店に入った。という経験はきっと喫煙者の方ならば少なからず体験していることでは無いでしょうか。
そもそもレストランフロアに設置されている案内板に喫煙の可不可くらい記載して欲しいと思うのですが、恐らく時間帯によって全席禁煙、分煙などの措置を取っている店舗のあるのでしょう。喫煙の可不可が記載されている案内板など見たことがありません。

でもこれってサービスの質としてどうなんでしょう。タバコが吸えないことに対してではなく、タバコが吸えるお店を客が足を使って探さなければならない状況にはショッピングモールのサービスはひとかけらも存在していません。
長い前フリでしたが、僕はここらへんにユビキタスネットワークの可能性があるのではないかと考えています。

リアルタイムに変化する情報にアクセスするためのネットワーク

先述した「喫煙の可不可が記載されていない案内板」の不案内さは非喫煙者の方は元より「食事中は禁煙でも我慢できる」と言う素晴らしい喫煙者の方にとってもさほど気になるものではないかと思います。
しかし、これが例えば「5人で一人当たり3,000円で中華料理が食べたい」時に見る案内板ではどうでしょうか。中華料理ということまではわかっても、5人座れる席が空いているのか、また一人当たり3,000円で食べられるのだろうか、などと言った事は実際にその中華料理店まで本人が赴いて確認するしかありません。
これって不案内だと思いませんか?小さなデパートならぐるっと回るのもよいかもしれませんが、端から端まで歩いて10分かかってしまうような巨大なショッピングモールのレストランフロアでは確認するだけでも一苦労。子供連れの家族などでは「お父さんまだ?」と子供が飽きてしまうかもしれません。そんな子供はひっぱたいてやれと言う意見には僕ももろ手で賛成ではありますが、そんなのはなんの解決にもなっていません。

じゃあどうしたら?僕はここにこそユビキタスネットワークが必要だと考えています。
ショッピングモールにあるレストランを含めた店舗では大概 POS システムを導入しています。
POS システムとは「販売時点情報管理」と言い、その名の通り「販売(注文)した時点でその販売情報を一元的に集計、管理する仕組み(システム)」を指します。
コンビニエンスストアなどで会計を済ませるとき、レジで商品のバーコードを読み取り会計を済ませますが、この会計時に会計の情報(販売の情報)が中央で管理するシステムに送られています。

ショッピングモールのバックエンドに走るネットワークに、この POS システムから送られてくる情報を流すことで「今どの席が空いているか」をショッピングモール側で監視することが可能となります。
予算にしても喫煙の可不可にしても静的な情報として予め「ランチの予算は1,500円、ランチタイムは全席禁煙」などをショッピングモールのネットワークに登録しておくことで、その情報を参照する時間に応じたアウトプットをするだけで案内することが可能となります。

案内板にタッチパネル式のモニタを採用し、バックエンドにはショッピングモールのネットワークで監視している各店舗の情報、フロントエンドとしてモニタに表示されるのは簡単な検索システム。
これで「5人で一人当たり3,000円で中華料理が食べたい」ニーズにマッチするレストランを探すことが出来る案内板が実現します。

インタラクティブな案内板

これだけでも十分にインタラクティブ(対話的、双方向的)な案内板として動作するかと思いますが、やはり人間ですものショーウィンドウに飾ってある見本で胃袋が刺激されることもままあるでしょう。
案内板で検索できるのですから、ついでなら検索したお店の料理も動画で表示してみたらどうでしょう。ショーウィンドウに飾ってあるイミテーションと、実際に料理が作られている動画とでは、どちらの方に胃袋が刺激されるかなどとは愚問かもしれませんね。

ワンステップ上のインタラクティブ

ここまででも案内板としては十分に完成したものが実現できることがわかりましたが、それだけではマイノリティ・リポートの網膜認証におけるパーソナル広告にはまだ手が届きません。
ここで先述した RFID の出番です。
例えばショッピングモールのポイントカードが RFID であった場合、SUICA と同じアクティブタグか、遠くからも検知できるパッシブタグかによりアクションが変わってきますが、ここではアクティブタグと仮定します。理由は後述。

ショッピングモールのポイントカードにどのような情報が保存されているか不明ですが、仮に認証のためのキーとして扱うとします。
ショッピングモールとショッピングモールの案内板として前述のタッチパネルが以下の図の様な構成でネットワークを構築していたと仮定します。

ネットワーク模式図

監視サーバにはデータベースサーバと web サーバがあり、データベースにはポイントカードの購入履歴や店舗の情報などが保存されています。
RFID の読取装置は案内板に隣接されていると仮定します。

RFID の読取装置にポイントカードをかざすと、認証が始まり、保存されている購入履歴などからよく購入している店舗の販売情報(おすすめ商品)や、購入履歴から推測される(販売統計から出した似通った購入履歴から算出)ショッピングモール全体を通してのおすすめ商品情報などの「見ている人に特化したその場で動的に生成される広告」が表示されます。
また、タッチパネル上から表示されている商品の詳細情報(販売している店舗の場所など)を参照することもでき、その商品を購入している人の中から同様に購入している率の高い商品を「この商品を購入している人はこんな商品も購入しています」と言うような紐付けも可能となります。

RFID が無かったとしても、店舗を検索するとその店舗のおすすめ商品などが表示されてもよいでしょうし、レストランならば店内や料理の動画が流れるととても効果的ではないかと思います。
このような「ユビキタスネットーワークをバックボーンとしたインタラクティブな総合案内」が2008年に始まるのではないかと僕は考えているのですが、導入における時間的、金銭的なコストから考えるとまだまだ先の話なのかも知れません。

そんなことをぼんやり思い浮かべながら正月は温泉につかっておりました。
みなさんはどんなことが起こる1年になると考えておられますでしょうか。いずれにしてもみなさんにとって良い年になることを願って止みません。
それでは今年も1年、宜しくお願いいたします。お仕事の依頼は随時募集中でございます。

最後に。
なぜアクティブタグか。それは、RFID 認証と網膜認証の間にある超えることのできない壁のためです。その壁とは「認証の対象となる個人がどちらを向いているか」を認識できるか否かにあります。
網膜認証はその名の通り目にある網膜によって認証行う仕組みです。認証される側が認証する側を向いていなければ認証することが出来ません。即ち「認証するときはこっちを向いている」ことが前提となっています。
これに対し RFID は電波をキャッチできる空間に存在しているだけで認証が可能となるため、その空間内のどこにいるかまでは知ることが出来ません。
複数個所から同時に認証を行うことで位置の特定自体は可能かもしれませんが、どの方向を向いているかと言うことに関しては指向性があったとしても RFID の向きしかわかりませんので、要するに「RFID の持ち主がどちらを向いているか」までは特定することが出来ません。
これはとても大きな壁ですが、RFID をアクティブタグとすることで「個人が IC タグを読取装置にかざさなければ検知しない」と言う条件を「個人がこちらを向いている」に置き換えることが可能です。
逆にパッシブタグでは、多くの人が行きかうショッピングモールの案内板では「認証できる範囲内に複数の対象」が存在することが考えられますので、このような場合には不向きなのでは、と考えた次第です。

単なる推測ですが、マイノリティ・リポートでは、カメラが検知した網膜とカメラの位置関係から、その網膜にしか認識することの出来ない、視認できる角度を限定したホログラフィによって「その人(網膜)だけに見せる広告」を展開しているのではないでしょうか。

参照 URI

Comments:0

Comment Form
Remember personal info

Trackbacks:0

Trackback URL for this entry
http://spais.jp/note/%e6%96%b0%e5%b9%b4%e3%81%ae%e3%81%94%e6%8c%a8%e6%8b%b6%e3%81%a8%e4%bb%8a%e5%b9%b4%e3%81%ae%e4%ba%88%e6%83%b3/2008-01-06/trackback
Listed below are links to weblogs that reference
新年のご挨拶と今年の予想 from SPaiS

Home > Note > 新年のご挨拶と今年の予想

Search
Feeds
Meta

Return to page top